君は小さな花のようだった
来る日も来る日も
僕は、もっと大きくなるかな、なんて思いながら
水をやるのだった。

そして、ある日いつものように水をやっていると
風に揺れる君があまりにいとおしくて
僕は君に触れようとした
ふと、何気なく君に触れたくなった
あっ、と鋭い感触にはっと我に返ると
僕の指には赤い傷。

君はいつの間にか、大人になっていたんだね。
僕はまるで気づかずに、
今までと同じように考えていた。
君の成長に気づいていなかった。
傷を負った指をゆっくりとおさめながら
僕は複雑な気持ちを押し殺して
君の姿に微笑んだ。